世代交代

父親がお正月に亡くなった。97歳だったので誰もが大往生でしたねとお慰めを言ってくださる。ほぼ老衰であったのでおっしゃる通りなのだが、本人は辛かったと思う。ここ1年半程施設のお世話になったもののコロナ禍で外出禁止、面談はガラス越し、景色は窓越しでしか見られず本人は「格子なき牢獄」と言っていた。後3年で三桁であったのでもう少し頑張れればと家族は期待をしていたのだが…。

人生100年時代。それは幸せなのか。体が元気で家族が傍にいてある程度自分の事は自分でできて、死ぬ数日前まで元気でいられたら、これは幸せだろう。しかし、実際にはほとんどの老人が夫婦でどちらかが欠けると独居老人になり子供がいてもあまり寄り付かず、身体は衰え何をやるにも疲れてしまい、あまり動かずただ目的もなくわずかな年金で細々と生きる(いや生きれない)。これは幸せにはほど遠い。日本は北欧等と違い国が老後を守ってくれる福祉国家、社会主義国家ではない。その代わりに税金が他国より安いなどというが、それはお金持ちだけが得する構造でしかない。

一億総中流主義などとバブル時代は浮かれていたが、今や貧富の差は激しく世界の先進国の中でも恥ずべき程に貧困層が多い国民となってしまった。頑張って経済大国となっても海外から圧力をかけられ潰されて、特に欧米にものを言えない政治家とそれを選んできた国民の自業自得と言えばそれまでだが、ただこのままでは若い世代の夢や希望は奪われ、日本は海外の食い物にされてしまう。次の世代が日本に誇りを持てる国づくり、単に長寿国でなく健国として自立した国家を築くことが大切だ。

自分は何年生きられるのかわからないが、せめて若い世代がこの国に生まれて良かったと思える国であってほしい。そして国民の一部(富裕層や高齢者)を大事にするのでなく各層を大事にバランスの取れた社会が作れるように、若者が声を上げる(上げなくでも選挙でその考えを代弁してくれそうな政党や議員に投票する)事を期待したい。

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