今年は年明け早々に父を亡くして間もなく初盆を迎える事になる。今まではお盆はご先祖様や亡くなった親兄弟がこの世に戻って来られるので迎え入れる。お墓参りをして魂を迎えに行く。そしてその間は仏壇にお供えをしてお線香を焚いて過ごす期間としか思っていなかった。というかあまり意識する事もなかった。
改めてお盆の意味を調べて大体自分の理解に間違いが無い事はわかった。ただ初盆では白い提灯を飾り、あの世から初めて現世に戻る時の目印とするとは知らなかった。母が亡くなった年に購入した回り灯篭を組み立て夜には灯りを灯した。またこれは子供の頃、よく一軒家の玄関や軒先でキュウリやナスに割り箸を刺した何かの動物を模ったものを見かけたが精霊馬というらしく、キュウリは馬で早く魂をお招きし、帰りはナスの牛でゆっくりあの世へお帰りいただくらしい。食物を外に置くとカラスが来て食べ散らかすので代わりに馬と牛の折り紙を折って飾った。お盆は盆踊りなど地区によっても様々な独自の風習(九州の精霊流し等)があるようだ。できるだけそういう文化は後世にも継承していきたい。私は取り立てて日本人だからという表現は好きではないが、日本の文化を知りできるだけそれ守るのは賛成だ。

お線香を焚くと香りは悪くないのだが喉が弱いのでせき込んでしまう事がある。また意外とその香りはその場にある服や物に付くので気をつけたい。その香りはどうしても高齢者の香り(高齢者はお線香をよく焚くので)とされ、若者はそれを避けようとする傾向にある。実は昔、お線香は防臭や防腐、殺菌等の物理的な効果をもたらすものとして使用していたらしい。だから香りが強く付きやすいのだ。他にも清浄化や故人の食べ物として備えられる。今の住宅事情だとなかなか焚く事も憚れる。お盆やお彼岸のタイミングが良いところだろうか。ろうそくの火を灯した時にその炎が揺れるとご先祖様が喜ばれているとか親にそんな話を聞いた覚えがある。
さて、お盆を過ぎると夏もそろそろ晩夏となり、どことなく秋に向けて寂しささえ感じてしまう。特に肉親が亡くなったお盆にはその人との思い出を回顧して今この世にいない寂しさが一層つのる。しかし、これも諸行無常、生あるものは必ず死ぬ。生きる時間はそれぞれだが、これだけは平等にやってくる。長短は問題ではなく与えられ限られた時間(人生を)
その間は一生懸命に生きようそして活きよう! 南無阿弥陀仏 合唱。